しいてゆう

言葉にできない?んな事知ってる。

柿+絵の具=  :沢登英希「いつのまに」

こんばんわ。

蒸し暑い日が続きますね。

今日はコレクションさせてもらってる作品を一点紹介。

以前記事にも描いたGEISAIで出会った作品なのですが

この作品もまた、僕の足を止めてくれました。



沢登英希4

沢登英希「いつのまに」



写実的に描かれた柿。

そこに絡む青い絵の具の塊。



ああ、ダメなんですよ。弱いんですよ。



異なる物が絡みあっていると

僕はドキドキしてしまうんですよ。





写実的な柿。

写実という方向性が

今自分が捉えているモノを物理法則に乗っ取って

画面に再現する事だとするならば

つまるところ、フォトリアルのひとつの到達点は

「絵である事を忘れさせること」にあるはずです。

だから写実技法には正解があります。

そのモノが実際に存在している以上

そこに近づくよう、考え、捉え、構築していく必要があるんです。



沢登英希 3




だけど、沢登さんの作品の画面には

その写実に「絵の具」が絡む。

これは構築どころか

絵の具の重さと宇宙船地球号の重力に任せるという

非常に偶発性の高い技法です。



柿をスパッと切ってるから

この「絵の具」の性質は絵の具とは言えないのかも知れませんが

画面を観るとやはりこの塗料の塊が

自らが絵画である事を主張してきます。



こんなものが写実的な柿と画面を共にされちゃうと

これはもう一種の自己矛盾が生まれます。

パイプの下に、これはパイプでは無いと描いてあるようなもんです。

この異なる出会いが

作品の絵画としての自己言及性を高め

絵画特有のユーモアを生んでいて、とても好きなんです。



沢登英希 2




色々と作品を観る機会が多いですが

伝えたい事とかを重要視し過ぎて

自分が何をつくってるのか忘れてる様な作品もたまにあります。



それ、なんで絵画である必要があるの?



絵画には絵画にしかできない事があるし

絵画にしかない楽しみがあります。

そんなものをこの作品からは感じます。



ふとしたモチーフの選択と構図。

そして異なる技法の出会いから生まれる

この…わけのわからなさ。

この揺らぐ感覚。

辞書に無い何か。



これですよ、これ。

自分にはまったく想像至らない領域。

だからこそ、観たいと思うんです。






作家の沢登さんはまだ学生だそうです。

過去の作品ファイルも見せていただきましたが

もうホントに色々なタッチの作品がギッシリでした。

同じ人?ってなくらいに。



でも、そういう模索は、本当に大事な事だと思うんです。

作家性にしがみつかず、自分を固定化せず

どんどん新しい世界を見つけていって欲しいです。



と、老婆心的なコメントになってしまいましたが

とにかく気になる作家さんなんです。

沢登英希さん。

是非、お見知り置きを。




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カテゴリ: 美術 

この次が観たいのだ:上野の森美術館「ネオテニージャパン」

さて、先日上野の森美術館で開催されている

「ネオテニージャパン」を観てきました。

高橋龍太郎なる精神科医が集めた現代美術のコレクション。

その展示。









奈良美智

村上隆

天明屋尚

会田誠

とにかく、そうそうたるメンツ。

新しい発見は無かったけれど

この人達が日本の現代アートのトップランナーだと

改めて認識しました。



日本はよく「評価を逆輸入する国」だと言われます。

北野武もそう

黒沢明もそう

外国で評価され

日本でも騒がれる。



だから



日本の重要な文化財は

結構国外に流れてしまったりしています。

現代アートもしかりです。



「村上隆の価値がわからないんだよね」

「じゃあ実際観に行ってみるといいさ。話はそれからだ。」

「どこに…??」

「ッぐ…」

口ごもる俺。



悔しくてたまらないんですよ。



だけど、日本には高橋コレクションがある。

国内に素晴らしいアートがある。

それを留めてくれる人がいる。

それを垣間見る事ができて

少し安心しました。

あのコレクションがもし

外に流れ出てしまったかと思うと

本当に悲しい。

いやいや、高橋さんがいて良かった。






冒頭でも触れましたが

出展されていた作家たちは、彼らは、

もうスでにエスタブリッシュな作家。

時代を進めてくれた作家。



「ん、やはり好きだ」

「んん、これこれ」



良いものは良い。好きなものは好きだ。

いつ観ても、何度みても。

だけど、それはもう、知っているんだ。



彼らの作品を観ながら、想いにふける。

「僕ら世代が、次の価値を産み出さなくては。」

…もはや美術史に進歩史観は通じねぇか?

そういう事じゃあない。

この次が、この次が観たいんだ!



だって、そうじゃないですが。

いつまでも奈良さんと村上さんに

おんぶにだっこってわけには…

いかないじゃないですか?



何の決意だかよくわかりませんが

「やらねば!」と思いました。

うん。確かに。

やらねば!













三ヶ月もブログ放置、すいませんでした。

また書いてくよ、前よりも少し気楽に。

___________

「ネオテニー・ジャパン -高橋コレクション」展
会場: 上野の森美術館
スケジュール: 2009年05月20日 〜 2009年07月15日
開催時間 10:00-18:00 (金曜日は20:00迄)
住所: 〒110-0007 東京都台東区上野公園1−2
電話: 03-3833-4191
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エヴァか!ガンダムか!いや、ジャイアントとらやんだ!

3月28日ー29日にかけて

六本木アートナイトなるイベントが開催されておりました。

夜通し色んなパフォーマンスが楽しめたり

六本木の美術館が遅くまでやってたり

まぁ、その名の通り

六本木でアートなナイトを楽しもうってな具合なんです。



で、僕も行ってきました。

28日の夜はのっぴきならない理由で

行けなかったので日曜の昼行ってきました。

お目当ては…


これです。








ヤノベケンジ作、ジャイアントとらやん。

その大きさなんと7.2m。

でかい。でかすぎる。



そもそもとらやんというのは

こんなやつらなんです。








が、ジャイアントとらやんは半端じゃなくでかい。

おなかの中にとらやんが乗っていたので

恐らく、とらやんが操縦するロボ的な位置付けなんでしょう。

そしてそのロボの必殺技…








そうです。火吹くんです。

(写真下手ですいません)

すごいです。こんなでかい金属の塊みたいのが、火吹くんです。



え?何?

何なの?

とらやん?

火、吹くの?なんで?なんのために?



と、多くの人がそうお思いでしょう。

無理もありません。

こんなわけのわからない巨大ロボを目の当たりにして

冷静で居られる方がおかしいのです。

では説明しましょう。



これらとらやんを代表とするヤノベケンジの作品は

あるひとつのコンセプトに支えられています。

それは「大変な事になるであろう未来を生き抜く事」です。

ちびとらやん達が着ているのは放射能から身を守るスーツ。

ジャイアントとらやんはとらやん達を

色んな危機から救ってくれる力強い味方。

とらやん達は終末を生き抜くためのサバイバルマシーン彫刻群

というわけなんです。









いやいやいやいや…








自分で説明しといて何ですが

んなアホな。

ちょっと待て。

って、思いませんか?



だって「大変な事になるであろう未来を生き抜くため」に

ジャイアントとらやんに火を吹かせるんですよ?

これ言うのは簡単ですけど

形にするのってとんでもない事ですよ?

いったい何から手つけていいのか検討もつきませんよ。

正直むちゃくちゃですよ。



いったいどんだけの時間と

どんだけの費用と

どんだけの知恵をしぼって

ジャイアントとらやんなるものを完成させたのか…

想像しただけで恐ろしいです。



「何をしようか考える。その一瞬のみクリエイト。

後はひたすらただの作業。」

これは会田誠が言っていた事ですが

ほんとにそう思うんです。

その”作業”をどんだけやれるか。

そこが勝負なんです。



ヤノベさんは信じきってるんだと思います。

自分の妄想を。

未来は大変な事になる。

だからとらやんが必要だ!

そうだ!我々にとらやんは必要なんだ!

そう信じて、”作業”し続けているに違いない。

じゃなきゃこんだけのもの作れない気がします。



これ、形にするの、ほんとに、すごい。

僕はヤノベさんが大好きだ。






このジャイアントとらやんを観に

多くの人が集まっていました。

大きいロボが火を吹く。

それだけですよ?

みなさん、それだけなんですよ?



ああ!そうです!

だけどそれだけじゃないんです!

そこにある秘められた思いに

きっとどこかが反応してるんです。

わかります。

なんとなーく、わかります。



とらやんに思考が覚醒されっぱなしの

寝不足の日曜日でした。



ps

帰りに牡蠣を食べましたが

相当うまかったわけで。






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